用語解説

NFCとは?

ツカリくん

このブログでたびたび出てくるNFCって何のことなの?

おひょう研究員

簡単に説明するとカードやスマホをかざして通信する規格のひとつです!

今回はEXコイン(EXC)を説明する上で欠かせない、NFCについて解説していきます。NFCについて理解することで、よりEXコイン(EXC)についての理解が深まると思います。

NFCとは?

NFCとは「Near Field Communication」の略称で、日本語では「近距離無線通信」と訳されます。2つのデバイス間(スマホや決済端末)で無線通信を行うための技術です。

通信可能距離は約10cmで非常に短いものの、かざすだけで情報のやり取りができるため、現在では交通系ICカードやクレジットカード、スマホ端末などに多く搭載されています。

みなさんが利用している身近なサービスでNFCが活用されている例としては、Suica、ApplePay、おサイフケータイなどが挙げられます。

NFCの機能

NFCの機能は大きく「認証」と「通信」の2つに分けられます。

  1. 認証
    NFCをパスワードの代わりに用いることで本人認証できるようになります。他にもスマホとスピーカーなどを、Bluetoothでペアリングさせる際に必要なパスコードの入力を省略できます。
  2. 通信
    NFCは文字情報だけでなく、iPhoneのAirDropのように写真や連絡先などのデータのやり取りも可能です。その他にも、スマホ同士で電話番号やメールアドレスなどのデータ転送を行うことができます。

また、最近ではスマホを用いたマイナンバーカード情報の読み取りにもNFCが利用されています。

NFCとFeliCaの関係性

日本でよく利用されているNFCの代表例がSuicaです。上の写真のように「ピッ!」とカードやスマホをかざして改札を通っている方も多いのではないでしょうか。

このSuicaには日下部進さんとSONYが開発した「FeliCa」という技術が使われています。NFCとFeliCaはどちらも近距離無線技術ですが、微妙に区分が違います。NFCというくくりの中にFeliCaがあるイメージです。

NFCのなかにはFeliCaを指す「Type-F」以外にも「Type-A」や「Type-B」など複数の規格があります。日下部さんの開発した「Type-F(FeliCa)」には、ほかの規格と比べて反応速度やセキュリティ面で優れているという特長があります。

Type-AやType-Bの通信速度は424kbpsですが、Type-F(FeliCa)は約2倍の847kbpsです。他のタイプより高速に処理できることから、駅における朝のラッシュ時の混雑緩和を目的として日本ではSuiCaを中心に普及していきました。

FeliCaはNFCではなくICカード技術として国際規格化する予定だった

実はFeliCaは近距離無線通信(NFC)ではなく、ICカード技術として国際規格化する予定でした。しかし、他のICカードと比べて技術的に高度すぎたことから、欧米勢の承認を得られず、国際規格化できませんでした。

SONYにしか作れない製品を国際規格してしまうと、自分たちのビジネスが成り立たない可能性があることを欧米勢は恐れていたのです。

そのため、日下部さん(SONY)はNFCの無線通信の仕様がType-F(FeliCa)やType-A(Mifare)を包含していたことに着目してNFCを国際規格化しました。この戦略によって、同時にFeliCaも国際規格化されたのです。

おひょう研究員

ちなみに日下部さんはNFCの名付け親なんですよ〜

最初にICカード技術として国際規格化に失敗したことで、世界に日本のFeliCaが広まることはなく、現在はType-AかType-Bが世界中で使われています。この失敗を活かして、EXコイン(EXC)は特許取得と国際規格化をして、周りを固めてから世界に広めていくという戦略を取っています。

ツカリくん

よく練られた戦略なんだね!

おひょう研究員

そうです!世界が気づいたときには、すでにGVE社によって覇権が握られているという実に巧妙な戦略です!

まとめ

今回はNFCについて簡単に説明しました。EXCは、世界に約60億台あるスマホに搭載されているNFCを使った決済を想定して開発されています。

今後、世界のデジタルマネー化が進んでいき、世界中の人々がスマホのみで決済する時代がきたときには、GVE社のEXCが基盤となっているかもしれませんね。

参考本

フェリカの真実:電子マネーからデジタル通貨ヘ

SONYによるFeliCaの開発秘話からEXCの開発経緯までが書かれている本です。EXCに興味をもった方は読んでおくと、より理解が深まると思います。登場人物は主にFeliCaの開発者である日下部進さんですが、後半のEXC事業の話では房広治さんも登場します。

週刊エコノミスト:欧州発世界不況

はじめてEXCを掲載した経済専門の週刊誌です。EXCの特集の前に、似た思想を持っていたリブラについても書かれているので、比較のためにそちらも読んでおくと良いでしょう。

デジタルマネー戦争

EXCの開発者のひとりである房広治さんと、日本で唯一のルール形成戦略機関の研究者で大学教授の徳岡晃一郎さんが、今の世界で起きている「お金のデジタル化」をめぐるテクノロジーの最新動向と、日本企業やビジネスパーソンがグローバルなビジネス環境で戦うために必要な考え方ととるべき戦略を公開しています。もちろんEXCについても言及されています。

おひょう研究員

3冊ともEXCについて書かれているのでチェックしておいて損はないです!